④504プランの策定までの流れ

1.504プランの策定までの流れ

うちの子が、臨床心理士による発達障害の診断を受けた話をしました。

診断の結果は、Level 1 ASD自閉症スペクトラム障害レベル1、旧名称:アスペルガー)でした。

本記事では、臨床心理士がサインした診断レポート(25ページもある)がメールされてきた後に、「504プラン(Section 504 of the Rehabilitation Act)の適用を小学校(公立)にリクエスト」してから「504プラン(配慮)が策定」されるまでの流れを、実際の体験に基づき書いています。

2.Section 504 Initial Meetingをズームでやった

臨床心理士の診断レポートをスクールカウンセラー(School Counselor)にメールし、504プランを受けたいと伝えました。

その後、ズームミーティングでSection 504 Initial Meeting(通称、Local Screening Committee Meeting)を行いました。出席者は、以下です。

スペシャルエデュケーションの先生(Local Screening Chairperson)

スクールカウンセラー

• 担任の先生

• 校長

• 学校提携の臨床心理士

• 親

診断レポートがあるので、話は早く、「504プランを許可する」とのことでした。504プランにおいて、具体的にどのような「配慮(accomodations)」がよいかについては、今後、話し合いで決めることになりました。

印象的だったのは、ズームミーティングの際に、学校提携の臨床心理士が、「Level 1 ASDアスペルガーのことで、いわゆる自閉症(autism)とは全くの別物である」と強調していたことです。

やはり、アスペルガーの名称が廃止され、旧アスペルガーASD自閉症スペクトラム障害)の一つとして位置づけられたことにより、現場レベルでは紛らわしい状況が起こっているようです。

うちの子の場合は、学力的には問題がないものの、クラスメートとの距離感の取り方が下手(近すぎる、つまり、ときにはケンカしたりしてしまう)ということと、自分で考えて作文するのが苦手(読解力やプレゼン力は問題なし)なので支援すべき、の2点をメインに、今後、具体的な「配慮」について決めていくことになりました。

今回Local Screeningとしてズームミーティングをしたことで、担任の先生が、うちの子の弱みだけでなく、強み(算数や社会ではグループリーダーとなって活躍)についても説明してくれたのですが、そんな活躍をしていたとは、初耳でした。

うちの子の社会性が改善していると分かり、少し安心しました。

3.Local Screening Committee Reportにサイン

その後、学校から「Local Screening Committee Report」と題された書類を受け取りました。内容は、以下でした。

① 上記のSection 504 Initial Meetingの議事録

② 504プランを提案する旨

③ 学年レベル又はそれ以上の学力が認められるので、スペシャルエデュケーション(special education)を受けられるかどうかは評価しない旨

この書類にサインして提出しました。

事前に調べていた理解どおり、504プランは、スペシャルエデュケーション(IEP)とは別ものであるということです。

4.Section 504 Meetingで「配慮」の案を抽出

その後、ズームミーティングでSection 504 Meetingを行いました。出席者は、スクールカウンセラー、担任の先生、親、です。

ここでは、具体的にどのような「配慮(accomodations)」がよいかを話しました。担任の先生が「どういう風に工夫すると現状うまくいっているか」をいくつも話してくれました。

全体で15分程度の短いズームミーティングでしたが、担任の先生もスクールカウンセラーも的を得たことを言ってくれて、十分でした。担任の先生の提案に、こちら側からいくつか補足提案をしただけで終わりました。その後、スクールカウンセラーから「504 Plan」と題された書類がメールされてきて、ミーティングで話し合った具体的な「配慮」の提案が列記されていました。

例えば、「クリエイティブに作文するのが苦手なうちの子には、サンプルを見せる」だとか、「急に授業の予定が変更になっても混乱しないように、あらかじめ予定表を紙に書いて貼っておいて、変更点を都度記入する」といった具合です。

これまで「配慮」といってもどういうものが適切かイメージできず、「アスペルガーだから宿題を減らしてもらう」といった配慮だと、本人のためにならないな、と案じていましたが、心配無用でした。上記のような「指示を明確にして、アスペルガーでも課題をこなせるように導く」といった堅実な配慮なので、安心しました。

5.まとめ

6月には学年度が終わるわけですが、5月のタイミングで504プラン(配慮)の案を抽出できたので、8月の新年度になって新しい担任の先生になったら、この504プラン(配慮)の案に基づいて適宜「配慮」を実行してくれるそうです。

引き続き選抜クラスに在籍できて、かつ、思ったより堅実な「配慮」をしてくれるようなので、今のところ、504プラン(配慮)を受けることによるデメリットは見当たりません。

今後、504プランは定期的に必要に応じて見直し・修正し、中学生になるころには、そのときに適した504プランを策定するか、場合によっては504プラン(配慮)はもう不要となるかもしれない、とのことでした。

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