- 1.知能検査ウィスクファイブ
- 2.ウィスクファイブ(WISC-V)は、子供のIQテスト
- 3.ウィスクファイブ(WISC-V)の検査指標5つとFSIQ
- 4.ウィスクファイブ(WISC-V)の結果から分かること
- 5.まとめ
1.知能検査ウィスクファイブ
うちの子がアスペルガー(Level 1 ASD)と診断された話をしました。
診断レポートの中に、WISC-V(ウィスクファイブ)によるIQテスト(知能検査)の結果が含まれていましたので、アメリカで行われている知能検査WISC-Vについてまとめてみます。
2.ウィスクファイブ(WISC-V)は、子供のIQテスト
WISC-V(ウィスクファイブ)は、Wechsler Intelligence Scale for Children, Fifth Edition のことです。
アメリカで子どものIQテストといえば、WISC-Vです。対象年齢は、6歳0か月~16歳11か月です。
WISC-Vを子どもに受けさせる目的は、主に以下だと思います。
① 発達障害の診断の一部としてWISC-Vテストを行う
② 小学校の選抜クラス(又はギフテッドプログラム)への申し込み時に、能力を示す資料の一つとして、WISC-Vのスコアを提出するため
WISC-Vのテストを行うことができるのは、clinical psychologist(臨床心理士)です。①の発達障害の診断(WISC-Vを含む)は臨床心理士が行いますが、②のWISC-Vだけ受ける場合でも、やはり臨床心理士によるテストを受ける必要があります。WISC‐Vだけを受ける場合でも、$300-$400ぐらいは費用がかかるようです。
ちなみに、16歳0か月以上のIQテストは、WAIS-IV (Wechsler Adult Intelligence Scale, Fourth Edition)になります。
3.ウィスクファイブ(WISC-V)の検査指標5つとFSIQ
(1)Verbal Comprehension Index(VCI、言語理解指標)
これは、子供の言語能力をみるもので、subtestsとして、以下を評価します。
Similarities
Vocabulary
(2)Visual Spatial Index(VSI、視覚空間認識指標)
これは、視覚的に、対象物の空間的な関係性を認識する能力をみるもので、subtestsとして、以下を評価します。
Block Design
Visual Puzzles
(3)Fluid Reasoning Index(FRI、流動性推理指標)
これは、視覚的な対象物の関係性を把握しその概念を適用する能力をみるもので、subtestsとして、以下を評価します。
Matrix Reasoning
Figure Weights
(4)Working Memory Index(WMI、ワーキングメモリ指標)
これは、集中して情報をインプットし、それを適用する能力をみるもので、subtestsとして、以下を評価します。
Digit Span
Picture Span
(5)Processing Speed Index(PSI、処理速度指標)
これは、視覚的に素早く正確に情報を認識・処理する能力をみるもので、subtestsとして、以下を評価します。
Coding
Symbol Search
(6)Full-Scale Intelligence Quotient(FSIQ)
FSIQは、上記 (1)-(5) の評価を踏まえた総合的なスコアであり、このFSIQスコアが、正式なIQスコアとなります。
4.ウィスクファイブ(WISC-V)の結果から分かること
発達障害の診断においては、WISC-Vの各評価指標のスコアと総合的なスコア(FSIQ)が「平均又はそれ以上」であることを確認して、WISC-V以外の評価結果も考慮して、Level 1 ASD(軽度)と診断されました。
WISC-Vによる正式なIQスコアは一つの情報として有用ですが、それよりも、WISC-Vを受けたことで、「うちの子が秀でている評価項目が何か」が今回明確になりました。
うちの子の場合は、Fluid Reasoning Index(FRI、流動性推理指標)がExtremely High(99 percentile)、Processing Speed Index(PSI、処理速度指標)がVery High(94 percentile)、Visual Spatial Index(VSI、視覚空間認識指標)がVery High(93 percentile)、でしたので、このあたりの能力を生かせるように導いてあげるのがよさそうです。
5.まとめ
アメリカで子どものIQテスト(知能検査)といえば WISC-Vということで、WISC-Vの情報をまとめました。
なお、小学校の選抜クラス(又はギフテッドプログラム)への申し込みを見据えて、子どもにWISC-Vを受けさせる裕福層が一定数いるようですが、口コミ情報によると、選抜クラスの選考においてWISC-Vはあまり重視されないようです。ま、言っても「IQテスト」ですから、優秀さを表す指標ではない、ということなのでしょう。