定期預金(CD)|アメリカで財テク

 アメリカの定期預金(CD)|アメリカで財テク

利率情報を更新しました。

 

雑感

各オンラインバンクのCD利率が完全にピークアウトし、下がってきています。でも、思ったより下落が緩やかです。探せば利率4%後半~5%台がまだチラホラあります。近い将来、CD利率がどんどん下がってきて4%台でも御の字という状況になるでしょうから、今はまだまだ十分よい利率です。

なかでも、Capital One 360の10月CD 5.1%、Marcusの14月CD 5.05%、Marcusの1年CD 5%が健闘しています。

PenFedはいずれフェイドアウトしようと思っていますが、過去の経験だと、各銀行のCD利率が下がってくるとPenFedが比較的よい利率を出してくるので、引き続き注目しています。

CD利率ウォッチ

ウォッチ対象は、CDの利率が高めで個人的に注目している、メジャーなオンライン銀行です。包括的・最新のCD利率情報は、Bankrate.comのサイト参照。

以下は、2024年3月18日現在のCD利率(APY %)(上から順に、1 year 18 month 2 year 3 year 4 year 5 year)です。

Capital One 360    

4.9    

4.5  

4.2    

4.1    

4.05    

4

Marcus

5     

4.7    

4.3     

4.15    

4.05 

4

Discover    

4.7

4.4    

4    

3.75    

3.75

3.75

PenFed (Money Market Certificates)    

4.5

4.8

4.    

4    

3.8 

3.8

Ally        

4.5

4.45    

3.75

4     

3.75

3.9

CIT    

0.3    

4.6    

0.4    

0.4    

0.5    

0.5

その他の注目利率:

Capital One 360 10 month CD 5.1%

Marcus 14 month CD 5.05%

CIT 6 month CD 5%

定期預金(CD)をするときに考えること

CD満期がきたら、自動更新にしないで、いったんsavingsへ入れます。そのお金を使って、新たにCD口座を開設します。

その際、考えること:

①どこの銀行で、CD期間、入金額

②利息を受け取る頻度(満期のときに一括して受け取る設定ができる場合もある。でも、管理のしやすさを考えると、毎月受け取りにしてます。)

③利息を入れる先(CD口座に追加するか、savingsへ入金するか。あとで変更も可能。CD利率がよいならCD口座に追加。利息がつくと$250k超えそうならsavingsに追加し、出金できるようにする。)

④満期が来たときどうするかの設定(自動更新、指定口座へ入金、小切手で受け取り、など。設定可能ならsavingsへ入金。)

⑤受益者(beneficiary)の設定(プロベーション対策としてPOD設定し受益者を指定するのが理想ですが、Coasting Catはやっていません。)

CDラダー

CDラダー(CD ladder)とは、複数のCDのアカウントをつくり、それぞれの満期がくる時期をずらすやり方です。

CDラダーの例

① 1年定期、2年定期、3年定期、などと満期がずれてくるように複数のCDアカウントをつくれば、満期が1年おきにくるようにできます。
② CDの開始時期を1月開始、4月開始、7月開始、10月開始、のようにずらせば全部1年定期にしても、満期が3ヶ月おきにくるようにできます。
③ 上記①と②を組み合わせたり、あまりきっちり考えずに現金がたまってきたら適時CDアカウントをつくることを繰り返すと、自然にCDラダーができます。

一般的なCDラダーは、満期がきたら基本的にはそのまま自動更新させます。

Coasting Catの場合は、CD満期がきたら都度よさそうな乗り換え先CDを検討して、新たにCDを作ります。というのは、各オンライン銀行では、プロモーション的によい利率のCDを単発で出すことがあるので、それに乗り換えたほうがお得だから。

CDラダーのメリット

① アメリカはCDの利率が比較的高いので、ある程度の利息をかせぐことができます。
② CDは、日本の定期預金と同様に、元本保証です。そして、FDICによりカバーされた銀行口座であれば、一銀行当たり$250kまではノーリスクです(銀行が仮に破綻しても$250kまでのCD預金額は戻ってくる)。
③ 複数のCDアカウントをつくる際に、例えば、「3ヶ月に1回ごと」や「半年に1回ごと」に満期がくるようにしておけば、将来急に大金が入用になっても、比較的すぐに次の満期がくるので困らないです。(それでも、約6ヶ月分の生活費分は、Emergency FundとしてCDに入れずに普通口座に入れておいたほうがいいかもしれません。)

CDラダーの注意点:途中解約するとペナルティがある

CDラダーの注意点としては、途中解約するとペナルティが課せられることです。例えば、EWP(early withdrawal penalties)として「90日分の利息分を払う」といったもので、各銀行によって定められています。

以下の表は、めぼしい銀行のEWPをまとめたものです。一覧しやすくするため、ペナルティが「90日分の利息」の場合は「利息3ヶ月分」ということで「3」と表記しています。こうして一覧表にすると、AllyのEWPが低いことが分かります。

 

1年CD

18月CD

2年CD

3年CD

4年CD

5年CD

Ally

2

2

2

3

4

5

Barclays

3

3

3

6

6

6

Capital One

3

6

6

6

6

6

CIT

3

6

6

6

12

12

Discover

6

6

6

6

9

18

Marcus

9

9

9

9

9

9

PenFed

*

*

*

*

*

*

Synchrony

3

6

6

6

12

12

2022年11月20現在の各銀行のearly withdrawal penalty(単位は、〇ヶ月分の利息)
*If withdrawn before the first year ends, 1 year interest; if withdrawn after the first year, 30% of total expected interest for the full term

利率が低いCDを持ち続ける vs CD解約して乗り換える の試算例

<例>

Bank Xで、以下のCDを想定。

金額:95k

CD期間:3年

CD利率:0.85%

CD満期:2024年9月

Bank XのEWPは、 全CD期間の利息の30%とします。解約して利息4.35%のCDに乗り換える場合、EWPは

EWP: $95k x 0.0085 x 3 x 0.3 = $726

CD解約後、利率4.35%のCDに乗り換えた場合、現時点から2024年9月まで(22か月間)に得られる利息:$95k x 0.0435 x 22/12 = $7,576

CD乗り換えによる現時点から2024年9月まで(22か月間)の収支:$7,576 – $726 = $6,850

CD乗り換えをしない場合、現時点から2024年9月まで(22か月間)の利息:$95k x 0.0085 x 22/12 = $1,480

以上のとおり、CD解約して乗り換えると、現時点から22カ月間の収支が$6,850 – $1480 = $5,370プラスになる。

FDICによりカバーされるか確認すること

銀行でCD口座(アカウント)を検討する際には、FDIC(Federal Deposit Insurance Corporation; 連邦預金保険公社)により保険カバーされるか確認しましょう。クレジットユニオン(信用組合)の場合は、NCUA(National Credit Union Administration; 全米信用組合監督庁)により保険カバーされるか確認要です。

FDICやNCUSによる保険カバーがある場合、銀行が仮に破綻しても$250kまでのCD預金額は戻ってきます。

FDICによる補償は、一人あたり、一口座保有形態あたり、一銀行あたり、$250,000(250k)まで(up to $250,000 per depositor, per ownership category, per FDIC-insured bank)です。

参考:FDICが提供するElectronic Deposit Insurance Estimator (EDIE)

<例>

銀行Aで、アカウント1として$100kのCD1と、アカウント2として$140kのCD2をした場合、アカウント1,2の合計が$250k以下なので、全額がFDICで補償されます。

FDICでカバー(補償)される金額を増やす方法

①複数の銀行でCDアカウントをもつ

複数の銀行でCDすることにより、FDICで補償される額を増やせます。

<例>

銀行A(FDICあり)でアカウント1、2あわせて$250kまでCD
銀行B(FDICあり)でアカウント1、2あわせて$250kまでCD
銀行C(FDICあり)でアカウント1、2あわせて$250kまでCD

をした場合、全額の$750kがFDICでカバーされます。

②名義を工夫する

夫名義、妻名義、夫&妻共同名義、の3つの群のアカウントをつくることにより、FDICで補償される額を増やせます。ジョイントアカウントの場合は、二人で$500kまでカバーされます。

<例>

銀行Aで、アカウント1として妻名義で$250kのCD1
銀行Aで、アカウント2として夫名義で$250kのCD2
銀行Aで、アカウント3として夫&妻共同名義(ジョイントアカウント)で$500kのCD3

をした場合、全額の$1MがFDICでカバーされます。

注意点:GC保持者からアメリカ市民配偶者への贈与は非課税・申告不要ですが、アメリカ市民からCG保持者配偶者への贈与は大金を移動すると贈与に関する税金申告が必要になってしまいます。よって、資金の名義を変えると管理・申告が面倒になる場合があります。

③Payable-On-Death(POD)の指定をつける

各アカウントにおいてbeneficiaryを指定してpayable-on-death (POD)とすれば、FDIC保険でカバーされる金額を250k増やすことができます。

<例>

銀行Aで、アカウント1としてPODなしで$250kのCD1
銀行Aで、アカウント2としてPODありで$250kのCD2

をした場合、全額の$500kがFDICでカバーされます。

 

 

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