連邦所得税率(タックスブラケット)についてまとめてみる|アメリカ

2024年の連邦所得税率を用いて、married filing jointly(ジョイント申告)とmarried filing separately(単独申告)の例を、計算してみました。

ターボタックスを使えば、税額を自分で計算する必要はないですが、タックスブラケットがどうなっているのか、ある程度は知っていたほうがよい場面があります。

  • 例えば、2024年について、連邦所得税額はトータルで見ると全収入のうち何パーセントだったのか、が分かります。
  • 銀行の利息収入があった場合、どのタックスブラケットにいるかを知ることで、利息分の何%を納税しているのかが分かります。
  • あくまでシミュレーションですが、401kを一括引き出した場合を想定すると、これも収入扱いとなるので、401kの引き出し額によって、トータルでは何%を納税することになるのかを知ることができます。

ジョイント申告の場合 (married filing jointly)

taxable income ジョイントの場合の税率 2024年
$23,200以下の部分 10%
23,200 x 0.10 = 2,320
$23,001-$94,300の部分 12%
(94,300-23,000) x 0.12 = 8,556
$94,301-$201,149の部分 22%
(201,149-94,300) x 0.22 = 23,507
$201,150-$383,899の部分 24%
(383,899-201,149) x 0.24 = 43,860
$383,900-$487,449の部分 32%
(487,449-383,899) x 0.32 = 33,136
$487,450-$731,199以下の部分 35%
(731,199-487,449) x 0.35 = 85,313
$731,200以上の部分 37%

計算例:

  • taxable incomeが$150,000だと、2,320 + 8,556 + (150,000-94,301) x 0.22 = 23,130となり、全体の23,130 / 150,000 x 100 = 15.4%が連邦所得税となります。

  • taxable incomeが$250,000だと、2,320 + 8,556 + 23,507 + (250,000-201,150) x 0.24 = 46,107となり、全体の46,107 / 250,000 x 100 = 18.4%が連邦所得税となります。

  • 収入+401kから引き出しの合計が$600kだと、2,320 + 8,556 + 23,507 + 43,860 + 33,136 + (600,000-487,450) x 0.35 = 150,772となり、全体の150,772/600,000 = 25.1%が連邦所得税となります。
  • 収入 + 401kからの引き出しの合計が$650kだと、2,320 + 8,556 + 23,507 + 43,860 + 33,136 + (650,000-487,450) x 0.35 = 168,272となり、全体の168,272/650,000 = 25.9%が連邦所得税となります。

単独申告の場合 (married filing separately)

taxable income 単独の場合の税率 2024年
$11,600以下の部分 10%
11,600 x 0.10 = 1,160
$11,601-$47,150の部分 12%
(47,150-11,600) x 0.12 = 4,266
$47,151-$100,525の部分 22%
(100,525-47,150) x 0.22 = 11,743
$100,526-$191,950の部分 24%
(191,950-100,525) x 0.24 =21,942
$191,951-$243,725の部分 32%
(243,725-191950) x 0.32 =16,568
$243,726-$365,600の部分 35%
(365,600-243,725) x 0.35 = 42,656
$365,601以上の部分 37%

計算例:

  • taxable incomeが$70,000だと、1,160 + 4,266 + (70,000-47,150) x 0.22 = 10,453となり、全体の10,453 / 70,000 x 100 = 14.9%が連邦所得税となります。
  • taxable incomeが$120,000だと、1,160 + 4,266 + 11,743 + (120,000-100,525) x 0.24 = 21,843となり、全体の21,843 / 120,000 x 100 = 18.2%が連邦所得税となります。
  • taxable incomeが$200,000だと、1,160 + 4,266 + 11,743 + 21,942 + (200,000-191,950) x 0.32 = 41,687となり、全体の41,687 / 200,000 x 100 = 20.8%が連邦所得税となります。
  • 401kから$600kを一度に引き出すと、1,160 + 4,266 + 11,743 + 21,942 + 16,568 + 42,656 + (600,000-365,600) x 0.37 = 185,063となり、全体の185,063/500,000 = 30.8%が連邦所得税となります。

GC放棄後に日本で401kを一括引き出しする場合

GCを放棄すると、401k口座をそのままにしておける会社プランであればいいですが、そうでなければ401kをクローズして一括引き出しするか、IRA個人年金ロールオーバーすることになります。一括引き出し額が仮に$500k-600kだと、上記のように26~30%程度税金をとられます。

401k口座をそのままにした場合で、その後GC放棄し、一括引き出しすると、日本で納税することになり、「一時所得」扱いです。仮に、

(全額ー拠出額ー50万円)/ 2+その他の所得=1200万の場合、

1200 x 0.3 - 154(控除額)=約206万となり、約17%の税率になります。

一方、401kや個人年金を分割して受け取ると、「雑所得」扱いとなり、仮に1年に600万、900万ずつ引き出した場合だと、

600 x 0.2 - 43 = 77万となり、約13%の税率になります。

900 x 0.23 - 64 = 143万となり、約16%の税率になります。

ベストシナリオ:401k口座をそのままにしてGC放棄し、一括引き出しする。

代替シナリオ:IRAロールオーバーしても、non-resident alienになっても口座維持できるのか、調査要。数年前はOKでも方針が変わるかもしれない。個人年金ロールオーバーも悪くないけど、引き出すのに時間がかかる。

あえてアメリカ居住中に全部引き出すのがシンプル。高い税金を払うかわりに、手続面は簡単になる。これだと、便利だけど運用益・会社マッチ分が飛んでなくなるイメージ。とりあえず、401kは実際の残高の30%減で考えるようにしてます。 

 

 

 

 

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